きれ端ノート

木端みの日記帳

死化粧師を読んで思ったこと

葬儀漫画のネームを描くにあたり、気になっていた『死化粧師』を3巻まで読んだ。

面白かった。絵もかっこいいし、エンバーミングの話も興味深いんだけど、

自分が特にすごいなと思ったのは物語の枝葉の部分がとても豊かなことだった。

 

エンバーミングのことだけでも取材が大変だろうに、

その他の知識が嫌味がない程度に散りばめられていて、

一体どれだけの経験をしたらこんな話が描けるんだろうと考えた。

絵のかっこよさも、キャラクターのアクの強さも、学術的な細かい知識も

全部が全部この漫画を構成するのに欠かせないもので、

それをひとつの物語として組み上げているのがすごすぎる。

 

ちゃんと面白いエンタメになっているからアートというのは失礼だけど、

アートや文学まで含めた文化みたいな、漫画を超えたジャンルのものだと思った。

 

子供のころ、色んなことを漫画に学んだ。

子供の自分には意味がわからないものもあったんだけど、

それでも興味を持って読み進めてしまう面白さがあったなーと。

わかりやすくするのは大事だけど、わかりやすさのために切り落とした枝葉は

今は必要なくてもいつか誰かの大事なものになるかもしれない。

 

簡単に捨ててしまう前に、一見価値のないものでも工夫して残して面白い作品にできないかな?

それこそが、ずっと残るかけがえない作品を作るために最後にすべき努力のような気もした。