きれ端ノート

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【創作プロット】中3からはじめる婚活

1ページ

屋上に呼び出されたのは、当然のように告白のためだった

クラスで目立たない存在だった彼女がイメチェンして可愛くなった理由もわかった

この中学で一番美形の俺に告白したかったからだ

確かに彼女はイメチェンに成功していたが俺は迷った

俺はモテるからだ

可愛いだけで付き合うかどうかを判断するのはもったいない

よっぽどの理由がない限り

 

2、3ページ

「好きです。結婚してください!」

彼女の口から出た言葉にビビった

今まで受けたことないタイプの告白に思わずOKした

彼女は嬉しいのか泣いていた

「私の一生を捧げます」

その言葉にギョッとした

 

4、5ページ

「重い!」

俺は友達のチャラ田に打ち明けた。

確かに彼女は見た目は愛らしかったが、口にする愛の言葉がことごとく重かった

昨日付き合ったばかりなのに「ご両親に挨拶したい」「一緒のお墓に入りたい」とか

重すぎるだろ

そうこぼしていると、彼女が駆け寄ってきた

「お弁当作ってきたの!」

肉じゃがと桜でんぶでハートを描いた愛妻弁当だった

 

6、7ページ

「弁当に肉じゃが…」引いているチャラ田をよそに、彼女は俺のネクタイを締め直し「こどもは何人ほしい?」と聞いてきた

チャラ田は顔を赤くして逃げていった

意外と純粋なやつなのかも

彼女の体をそっとはがしながら

「そんなに急がなくても、ゆっくり今を楽しもうよ」と言ってやった

 

8、9ページ

「人でなし!」

彼女はビンタをすると泣きながら去っていった

「そんなに?」

 

「台風みたいな女だな」

弁当の下に手紙があった。

冒頭を読むと「やっと付き合えたので、毎日手紙を書くことにしました」

おっも!なんだか面白くなってきた。

今までいろんな女の子と付き合ってきたけど、こんな楽しい気分は初めてだった。

「できちゃった婚したい」

「子供が生まれた日に結婚したい」

「18歳の誕生日に」

笑いをこらえながら、次の文を読む。

「今日はあなたと過ごす1000分の1日目です」

その言葉にハッとした

 

10、11ページ

彼女を追いかけるがどこにもいない

手紙の文面がよぎる

「私はあと3年しか生きられません」

「大好きな人と過ごして、結婚して子供を産みたい」

「あなたのために可愛くなろうって思ったの」

結婚を申し込まれた屋上に彼女はいた

「ごめん、やっぱり付き合えないんだ」

頭を下げて言うと、また彼女は涙をためた

 

12

手をさし出す「友達から」

「スピード婚を前提にお願いします」

彼女の涙が頬を伝ってたれて「はい!」と頬をそめて笑った

 

チャラ田も隠れて感動していた「仲人は任せてくれよ〜」

届けようとした忘れ物の弁当を思わずがっつく

「あまー!」